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寝たきりの夫のために独学でアロママッサージをしてあげた話

おひとりさまの学びや生き方

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夫が倒れて遷延性意識障害となってしまった時のお話です。

救急車で運ばれた病院にそのまま入院していたのですが、3か月経ってもうこれ以上回復する見込みはないと診断され病院から施設に移ることになりました。

コロナ禍で病院での対面面会は出来ず週一回のオンライン面会だったため、入院中は夫に触れることは出来ませんでした。(集中治療室にいた数日間は、ほんのわずかな時間だけ手に触れることはできました)

オンライン面会時は、目は開くけれどどこを見ているかわからない夫にたくさん声をかけました。

その時は夫に触れることが出来なくて、もどかしい気持ちでいっぱい。

退院が決まってから、毎日面会ができる施設を選択し、施設に移ったら「意識がなく寝たきりの夫に、私は何をしてあげられるんだろう」とずっと考えていました。

いろいろと調べていくうちに「そうだ、アロマオイルを使ってマッサージをしてあげよう!アロマストーンを使ってアロマの香りで癒してあげよう」と思ったのです。

夫が突然倒れ、意識は戻る可能性はゼロに近いという事実を突きつけられ、私自身も心身ともに疲れ果てていました。

アロマには以前から興味はあったけれど、アロマディフューザーを使って香りを楽しむ程度。

でも、文鳥を飼ってからはアロマは禁忌ということもあってアロマからは遠ざかった生活をしていました。

意識がなく状態も良くない夫の入院中に、アロママッサージを学びに行く余裕もない。

そこでネット通販で本やアロマオイルを購入したり、またYouTubeでマッサージの仕方を独学で学んだりしたのです。

何かに没頭している時間は、少しだけ夫のことから気持ちがそれて、自分自身にとっても必要な時間となりました。

購入した本をご紹介します。

アロマテラピーの教科書 いちばん詳しくて、わかりやすい! [ 和田文緒 ]

アロマテラピーの基礎知識や、セルフケア基本ガイド、精油やオイルの選び方、症状別のセルフケアガイドなどが書かれており、とても詳しい内容で初心者向けの一冊です。

たくさんの種類の精油の中から、無印良品のラベンダーとスイートオレンジを購入しました。

あたらしいアロマテラピー事典 おもしろくて役に立つ [ 木田順子 ]

こちらも初歩的な内容から、症状にあった精油の組み合わせなどが詳しく書いてあり、とても役立ちました。

実はこちらの本を楽天で購入直後、私がアロママッサージの勉強をしようかなと思っているということを友人に話したのですが、「以前、私もアロマを勉強していて役に立った本を送るね」と言われて届いたのがこの本でした。笑 

友人がおすすめのページに付箋を貼ってくれたので、とても助かった!

精油とブレンドするオイルは、アーモンド油が一般的によく使われていると友人が教えてくれたので、そのアドバイス通りにアーモンドオイルを購入しました。

精油とオイルをブレンドしアロマオイルを作って、本やYouTubeを見ながらセルフマッサージを始めたのですが、それがとても至福の時間となりました。

じんわりと身体が温まり、またアロマの香りで精神的にもとても癒されたのです。

ある程度、自分のマッサージ効果を感じたところで、同居している義母にもマッサージをしてあげました。

義母も息子が倒れてしまってから落ち込みがひどく食欲も落ちていましたが、私のマッサージで笑みがこぼれ「気持ちがスーッと楽になったよ」と言ってくれました。

アロママッサージには、心を癒す力もあるんだなと実感したのです。

夫が病院から施設に移ってからは、看護師さんにアロマを使う許可を取り毎日マッサージをしました。

部屋は個室だったので周りに遠慮することなくアロマストーンにオイルをたらして、部屋を癒しの空間にしました。

看護師さんにも「この部屋に来るといい匂いがする!」と好評でした。

夫の体調がよくない日(熱があったり、血圧が不安定な時)はオイルを使わず、手のひらを密着させて夫の潜在意識に届きますように、と願いを込めながらマッサージ。

体調がいいときは、「今日はこんなことがあったんだよ!」と笑顔で(夫には見えなくても)心を込めてハンドオイルマッサージ。

結局、意識は戻ることはありませんでしたが、施設に入所してから亡くなるまでの3か月間は毎日毎日マッサージをしてあげました。

たとえ意識のない夫でも機嫌のいいときは機嫌のいい表情をするし、話しかけると反応するかのようにゆっくりと眼球を動かしたりするのです。

マッサージには相乗効果があり、する側もされる側どちらにもいい効果があるのだと思います。

意識のない夫と毎日向き合う、こういう状況を普通に考えたらとても残酷で悲しいこと。

でも、アロマオイルマッサージという一つの方法で私自身も気持ちに余裕ができ、夫の前では涙を流すこともほとんどなく笑顔で面会し楽しく会話を(一方的ですが)することが出来たのです。

病院で面会できなくて悔しい思いをした時間を取り戻すかのように、夫と触れ合うことのできる時間に喜びを感じ、そして幸せな時間を過ごすことが出来ました。

夫が亡くなった今でも、時々セルフマッサージをしています。

今後、少し余裕が出来たら本格的に介護アロマテラピーについてもっと学びたいと思っています。

介護アロマテラピー入門 香りでこころとからだを癒す[本/雑誌] (単行本・ムック) / 浅井隆彦/著

何かを学んで実践するということは、自分自身の気持ちのあり方に変化をもたらすということを実感できたからです。

また、これからも他のさまざまなことで「学ぶ」ということを継続していきたいなと思っています。

以上、お読みいただきありがとうございました。

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