PR

夫が倒れた直後のお金問題について 銀行に成年後見人制度を勧められた話

過去のこと

当ブログはPRを含みます

夫は急性心筋梗塞で突然倒れ、心肺停止の時間が長く脳に酸素が行かない状態で蘇生したため、遷延性意識障害(いわゆる植物状態)となってしまいました。

私の経験が同じような状況の方の参考になればと思い、その時の状況を記録していきたいと思います。

夫が突然倒れた直後、主治医に

「意識が回復する可能性はゼロに近いです。意思疎通ができない寝たきり状態を覚悟してください」

と言われたとき、これからの生活に対する不安が一気に押し寄せてきました。

夫の回復は神頼みという状況の中、もちろん夫の状態が一番気がかりでしたが、切実なのはお金の問題です。

これからかかる医療費や生活費、住宅ローンなどの支払い問題が一気に頭を駆け巡りました。

私たちは再婚したばかりの夫婦で、お金の管理はすべて夫任せだったのです。

お金の管理についての話し合いをしていなかったことを後悔する

銀行の暗証番号がわからない

夫は昔ながらの亭主関白だったので、私は月々の生活費を預かるだけで夫の銀行口座なども把握していませんでした。

夫のお財布に入っていた2行の地銀のキャッシュカード。

暗証番号は聞いていませんでした。

いずれは将来のためにお金のことも話し合おうね、なんて話していた矢先の出来事。

まさかこんなに早く突然倒れてしまうことになろうとは思ってもみませんでした。

通帳を探し、とりいそぎ記帳してみましたが、夫は何年も記帳していなかったようでお金の流れが直近のものしかわからない状態。

一つの地銀は予想した暗証番号が合っていたので引き出しすることが出来ました。

ただ、スマホのアプリで残高も見れたのですが、そこには給与の振り込み記録がなく、暗証番号がわからない方が給与振り込み口座だったのです。

銀行窓口に相談

通帳と印鑑とキャッシュカードを持って、銀行の窓口へ相談に行きました。

「夫が入院中で意識がないため暗証番号がわからないので教えてもらいたい」と事情を話すと、

「本人が窓口に来られないのでしたら委任状を書いてもらってください」というお返事。

夫は意識もなければ、身体を動かすこともできないいわゆる植物状態なのに。

それを説明しても「本人の同意が必要です」の一点張りでした。

「植物状態で入院していて連れてくることが出来ないし、意思疎通ができないので委任状も書けません」と説明したのですが

「本人の来店、または委任状が必要です。それが無理なら成年後見人制度を使ってください」とのことでした。

成年後見人制度はデメリットばかり

成年後見制度とは、認知症や知的障害などによって自分で判断能力がない人を守る制度。

家庭裁判所が選定した成年後見人が、代理で本人に不利がないように契約等の手続きをする。

銀行に相談する前に成年後見人制度については調べていて、我が家の場合はデメリットしかないことがわかっていました。

家庭裁判所が成年後見人を選定

家庭裁判所が選定」というのがネックで、家族が選ばれない可能性もあるのです。

まったくの第三者に決まってしまうと報酬も発生するし、家族が自由にお金を引き出すこともできず、調べれば調べるほどデメリットが多いのです。

本人の財産を守る制度

あくまでも認知症の人などの財産を守る制度であって、意識不明状態となってしまった主の家族を守る制度ではないこと。

本人にしかメリットはなく、またそのメリットを受ける本人は今後意識が戻る可能性はゼロに近い状態なので、成年後見人制度を使うケースではないのでは、と思っていました。

成年後見制度を使わずに済む方法

銀行に夫の病状を事細かに説明した

夫の回復をあきらめたわけではないけれど、悔しくて泣きそうになるのをこらえながら夫の病状を説明しました。

  • 意識が戻る確率はゼロに近いこと
  • いつ急変するかわからず、急変したらもう延命は無理と言われていること
  • 成年後見人制度は本人がデメリットを受けないようにする制度なのに、その本人は死を待つだけの状態で生き延びているだけであること
  • 成年後見人制度の申請中に亡くなる可能性もあること

上記のことを説明すると

「特例として亡くなった人と同じ扱いで必要な書類を揃えてくれれば預金を全額引き出ししますので、

暗証番号のわかる口座に移してはどうでしょうか」という提案がありました。

死亡の相続と同じ書類が必要となる

銀行によって必要書類は異なってくると思いますが、以下の書類を揃えるように言われました。

  • 本人の戸籍謄本または全部事項証明書(出生から現在までがわかるもの)
  • 法定相続人全員の印鑑証明書
  • 住民票

夫の出生地は他県だったため、該当市町村のホームページを参照し手続きをしました。

郵送でやり取りするため定額小為替が必要で郵便局へ行ったり、現住所の市役所に行ったり、夫の病状が不安定な中、また精神的にもボロボロ状態の中で書類を揃えるだけでも大変でした。

法定相続人は、妻である私、そして夫と前妻の二人の息子。

私には娘がいますが、夫と養子縁組をしていなかったので対象外。

息子たちはすでにそれぞれ家庭を持ち、マイホームもあり独立しているので問題なくスムーズに印鑑証明を貰うことができたので助かりました。

無事に引き出すことが出来たが、まだ問題があった

書類を揃え銀行に提出したところ無事にお金を引き出すことができましたが、まだ問題がありました。

  • 今回は特例の措置であり亡くなった場合の対応ではないため、口座は解約とはならず口座はそのままとなること。
  • 暗証番号を教えることはできない
  • 現在の暗証番号がわからないと新たに暗証番号を設定することも不可能
  • 今後、この口座に給料などが振り込まれた場合対応はできない

給料の振り込みについて

この地銀を今後つかわないようにすればいいのですが、給料が振り込まれた場合、というのがネックとなり夫の勤める会社に連絡して口座変更をしてもらう必要が出てきたのです。

会社に事情を説明して、暗証番号がわかる口座への変更依頼をし、結果として無事に振込口座の変更が出来ました。

会社としても前例がない事例で提出する書類(代理人による口座変更届)等、あらたに書式を作成したとのことでした。

自動引き落としについて

夫は水道光熱費の支払いを請求書払い(コンビニ払い)にしていたため、自動引き落としについては問題ありませんでした。

前妻と離婚してから手続きが面倒だったため、ずっと請求書払いにしていたままだったようです。

携帯電話代だけは自動引き落としでしたので手続きが必要でしたが、口座変更より解約した方が早いと思い、すぐに店頭に解約しに行きました。

携帯電話の解約は、戸籍謄本と私の身分証明書があればすべての書類の代筆が可能だったので、すぐに解約できました。

最後に お金の管理についての話し合いは重要

日頃、健康なことが当たり前の日常を送っていると「倒れた時にどうするか」などについての真剣な話ってなかなかできないものですよね。(うちだけかな 笑)

私たちは再婚したばかりで何においても「これから」っていう時でしたので、今となっては時期が悪かったとしか言えませんが。

でも、今回の件を教訓にしお金の管理についての重要性を改めて認識したので、娘には私が所有している銀行の暗証番号やさまざまなパスワードを教えておきました。

また、実家の両親にも暗証番号やカードや通帳の場所を教えてもらいました。

今は元気でも、前触れもなく突然倒れてしまうことは実際あるのです。

他人事だと思っていたことが現実に自分の身に起きてしまってからでは遅いのです。

以上、お読みいただきありがとうございます。

なごみ

タイトルとURLをコピーしました